訪問理美容を始めようとしたとき、多くの人が最初に悩むのが「店名」です。
実はこの“店名のつけ方”、
ただの名前決めではなく、集客の成否を左右する重要な戦略要素。
特に訪問理美容は、実店舗の看板がないため 店名=ブランド力そのもの になります。
この記事では、
- 覚えてもらえる店名の作り方
- 高齢者が読みやすい名前のコツ
- WEB集客に強いネーミング
- 商標や法務の注意点
などを、専門用語なしでわかりやすく解説します。
これから開業する方、すでに運営中でネーミングに不安がある方は、ぜひ保存版としてお読みください。
なぜ訪問理美容では「店名」が特に重要なのか?
訪問美容・訪問理容は、路面店のように
- 通りがかりの人に見つけてもらう
- 看板で認知してもらう
という仕組みがありません。
そのため、SNS・名刺・ホームページ・チラシなど、すべての発信媒体で店名が“ブランドの軸”となります。
しかも、訪問理美容の利用者は一人ではありません。
■ 関わる人の例
- お客様(高齢者)
- お客様のご家族
- ケアマネジャー
- 施設スタッフ
- 相談支援員
つまり、複数の世代が一発で理解でき、覚えやすく、安心感を抱ける名前である必要があるのです。
店名を決める前に知るべき “5つの基本ルール”
この記事の本題。
訪問理美容のネーミングには、成功しやすい鉄板ルールがあります。
順番に見ていきましょう。
ルール①:覚えやすい「3〜5文字」がベスト
訪問理美容では、紹介で広がるケースが非常に多いです。
- 家族「こないだ来てくれた“〇〇”さん、良かったよ」
- ケアマネ「じゃあ次は“〇〇さん”にお願いしようか」
こんな会話の中で、長くて読みにくい店名は絶対に覚えてもらえません。
▼ NG例
- フランス語・イタリア語の造語(読み方不明)
- 意味のないローマ字列
- 7〜10文字以上の長い名前
▼ OK例
- きらら
- ふわり
- カット家
- きりや
短くて口に出しやすい名前は、それだけで紹介に強くなるのです。
ルール②:ひらがな・カタカナが圧倒的に有利
訪問理美容の利用者層は、主に70〜90代。
ローマ字表記は「読めない」「検索できない」「覚えられない」というリスクがあります。
▼ 例
- Hairsalon ○○ → ✕
- Cut Studio ○○ → ✕
- きらら → ◯
- カットやまもと → ◯
視認性が高い「ひらがな・カタカナ」は、高齢者だけでなく、ケアマネジャーにも覚えてもらいやすいです。
ルール③:理美容を連想できる単語を入れる
訪問美容の最大の課題は、何をしているお店なのかが一目で分からないことです。
そこで、店名に
- かみ
- カット
- きり
- びよう
など、理美容をイメージできる音・単語を含めると、初見での認知度がぐっと上がります。
▼ 例
- かみどころ きらら
- 訪問カット ふわり
- きりや ○○
ただし、あまりに露骨すぎると固くなるので、自然に馴染む程度でOK。
ルール④:ドメインが取得できること
WEB集客をするなら、店名=ドメイン名にできるかは必須チェック項目です。
ドメインとは
○○○○.com
○○○○.net
○○○○.info
などの「ネット上の住所」のこと。
同じ名前のドメインがすでに使われていると、
- サイトが作れない
- 他店と混同される
- 検索で見つけてもらえない
などのデメリットが発生します。
店名候補が決まったら、ドメイン検索を必ず行いましょう。
ルール⑤:商標と屋号の重複チェックは“必須”
ここが一番重要です。
日本全国を見ると、同じ名前を使っているお店は意外と多いもの。
特に美容室は件数が多いため、重複リスクが高いです。
▼ やるべきチェック
- 「訪問美容 〇〇」
- 「美容室 〇〇」
- 「理容室 〇〇」
で検索し、既存店がないか確認。
さらに、
J-PlatPat(特許庁の商標検索)で商標登録されていないか必ずチェックしましょう。
もし既に商標が取られている名前を使うと、
最悪、裁判・損害賠償のリスクがあります。
やりがちな「NGネーミング」3選
この記事では特に注意してほしいNG例をまとめます。
NG①:オシャレすぎる外国語
- 読めない
- 覚えられない
- 検索できない
という“三重苦”。
お客様も紹介者も、高確率で覚えてくれません。
NG②:ローマ字表記
- 「Hair」「cut」「salon」などは高齢者に伝わりづらい
- 介護施設のスタッフにも記憶されにくい
訪問理美容では特に避けたほうが良いネーミングです。
NG③:抽象的すぎる単語
例:
- スマイル
- ハート
- ひかり
美容に関係がなければ、検索にも弱く、他店と混同されます。
店名をつくる“実践ステップ”
実際に店名を決める手順をまとめました。
STEP①:キーワードを10個書き出す
「やわらかい」「訪問」「髪」「カット」など思い浮かぶ言葉を自由に。
STEP②:3〜5文字で組み合わせる
候補をできるだけ短くする。
STEP③:ひらがな・カタカナ中心にする
読みやすさ重視。
STEP④:家族・第三者に読んでもらう
高齢の人に読んでもらえるとベスト。
STEP⑤:Google検索で重複を調査
市内・県内・全国レベルで確認。
STEP⑥:ドメインが取れるか確認
訪問美容はWEB集客と相性が良いため重要ポイント。
STEP⑦:商標の重複チェック
J-PlatPatで検索する。
この手順を踏めば、店名トラブルのほぼ全てを回避できます。
商標登録の基礎(初心者向けにやさしく)
店名が決まったら、もうひとつ大事なのが「商標登録」です。
■ なぜ商標登録が必要?
商標を取っていない状態で使用していると、
後から同じ店名で登録した人が“本家”になることがあります。
その場合、あなたが名前を変えなければいけなくなる可能性も。
■ 商標登録せずに使い続けると起きるリスク
- 突然、内容証明が届く
- 変更を求められる
- 無視すると裁判リスク
- 看板・名刺・サイトすべて変更する羽目に
店名を広めれば広めるほど、被害が大きくなります。
■ 商標登録の費用(2024年時点)
- 出願:3,400円 + 8,600円 × 区分
- 登録料(10年):28,200円 × 区分
美容業なら区分は「44(理容・美容)」が基本です。

■ 自分で申請してもOK
弁理士への依頼は安心ですが、数万円〜十数万円かかります。
訪問理美容は小規模事業者が多いため、
自分で申請する人も多く、実際そこまで難しくありません。
6. 【まとめ】今日から使える店名チェックリスト
この記事を読んだあなたは、もう失敗しないはず。
最後にチェックリストをまとめます。
✔ 3〜5文字の短い名前か?
✔ ひらがな・カタカナで読みやすいか?
✔ 理美容を連想できる単語が入っているか?
✔ Google検索で同名店がないか?
✔ ドメインは取得できるか?
✔ 商標登録はされていないか?
✔ 店名を決めたら早めに出願するか?
🧩 ミニ要約(この記事の要点)
- 訪問理美容は店舗看板がないため「店名」がもっとも重要
- 3〜5文字・ひらがな/カタカナが最適
- 高齢者・家族・ケアマネが覚えやすいネーミングにする
- ドメインと商標のチェックは必須
- 商標登録しないと後からトラブルになる可能性あり
まとめ
- 店名の決め方にはルールがあります。
- 訪問理美容のユーザーは高齢の方が多いので、難しいネーミングはNG
- ネット検索し、既にある場合はNG
- 店名が決まったら裁判沙汰にならない為にも商標登録する事。

